第1章 『アリス』

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「で、どうしますか?教会本部の魔術師さん方。 いい加減諦めて帰ってくれませんか? 教会も図書館…敵に回すと厄介なんじゃないですか?」 凛さんが優しく諭している。 「…ッチ、帰るぞ!」 魔術師は一度此方を睨みながらドアを蹴破り帰って行った。 「あーあ、窓だけじゃなく扉も壊しやがって…」 「教会の方に請求書送っておきますか?」 「いや、今そんな物送ったら火に油さすようなものだよ。 油なんて可愛いものじゃないな…ニトログリセリンを缶ごと突っ込むもんさ」 「それは最早大爆発です…」 「とりあえず…教会は敵に回したな」 「魔術師の禁書の納品が減りますね」 魔術師は教会に忠誠を誓っている。 その教会に喧嘩をふっかけた図書館は目の敵にされるだろう。 そんな所に自らの研究成果をおいそれと渡すわけには行かない。 「まぁ、とりあえず『アリス』の元へ行こうか。」 夏一がそう言いながら地下の工房へと向かった。
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