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千冬の部屋から台所は、同じ一階なので近い。
しかし八雲は、偽八雲から逃げながら台所に向かわなくてはいけない。
もし、八雲が台所で擬似生命解除を目論んでると察知されれば偽八雲が先回りして、その本を処分する可能性がある。
八雲は、一旦二階に上がる事にした。
二階には、腐魔女達各自の部屋がある。
そこで騒動を起こして腐魔女達を巻き込めば…。
偽八雲の追っ手を逃れ屋根裏から台所へ向かい解除出来るかもしれない。
八雲は何処の部屋へ逃げ込むか考えた。
「マッチーは、蹴りが来そうでち。佐和ちゃんは…アレは清楚に見えて恐ろしい技を使うでち。やはり此処は将来の娘の所しか無いでちね」
と、勝手に将来の娘と決めているひなたの部屋へと向かった。
「あの部屋にはピノ達も居るでち。ついでにピノ達をかっぱらうでち」
にひひひひ。
八雲の嫌らしい笑い声が響き渡る。
その後ろを偽八雲が全裸で追い掛ける。
どどどどど。
八雲と偽八雲の足音が響き渡る腐腐腐館には、チョコの甘い香りが充満し始めていた。
そして、偽八雲の足跡がペタペタと床に着く。
その床に着いたチョコが床を溶かし始めていた。
「ひぃー、ちーちゃん。どんなモノをチョコに入れたでち」
八雲は、偽八雲の足を滑らせようとトゥルントゥルンの頭から油を出す。
ドロドロと流れてて、廊下に八雲の油八雲汁が流れ始める。
腐腐腐館は、八雲の加齢臭と偽八雲の甘いチョコの香りのミスマッチな香りで更に混沌としてきた。
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