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偽八雲が足を油で取られ滑っている間に八雲は目的の部屋へ飛び込んだ。
「きゃー。や、や、や、やくもぉー」
部屋の中で仕事中のひなたが八雲を見て声を上げる。
そんなひなたを無視して八雲は目的のモノを探す。
それらは、隣の寝室のベッドの上でスヤスヤとお昼寝中だった。
「あそこでち」
八雲は、目的のモノのピノたんずを見付けると飛び掛った。
「ピノ達逃げて!」
ひなたのその声で、集まって寝ていたピノたんずは目を覚ます。
そのピノ達が目覚めて見たのはマンキニ姿で油ギトギトの八雲が、自分達目掛けて飛び込んでくる所だった。
ぴぃー。
ぴぃ。ぴぃ。
ピノ達は、その場から一斉に逃げだした。
「駄目。ピノ達食べちゃ駄目」
悲痛なひなたの叫び声が館に響き渡る。
グヘへへへ。
人間とは思えない動きでピノ達を追う八雲。
その手や足からは、八雲汁がぽとりぽとりと落ち室内を汚す。
ぽとりと落ちた八雲汁にピノが足を取られ転ぶ。
それを狙い八雲がスライディングする。
ぴっ、ぴぴぴぃー。
八雲がピノを掴もうとした瞬間、偽八雲が八雲の足を掴む。
「えっ、八雲が二人?」
八雲とピノに気を取られていたひなたは偽八雲が入って来た事に気付き驚き立ち竦んだ。
ピノを狙う八雲が増殖したのだ。
しかも後から来た八雲は全裸で甘いチョコの香りを撒き散らし、そのチョコが着いた所は溶けている。
「みんなー、新手の八雲の攻撃よ」
いち早くひなたの部屋に飛び込んだかほが叫ぶ。
「八雲!今度こそ捕まえるでつ」
「りおたちは、ちーちゃん化した千冬が邪魔しないように捕まえてて。流星、行くわよ」
「マチルダ様、了解でつ」
戦闘モードに入ったマチルダと流星が八雲捕獲作戦を開始した。
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