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ピノを握ると八雲と違いすぐに食べようとする。
「こんのぉ、露出狂」
マチルダが偽八雲にバスタオルを投げ付けそこに蹴りを入れる。
タイミング良く流星が
「マチルダ様、伏せてでつ」
と言うと完成した魔法を放つ。
カキーン。
凝固魔法が偽八雲に直撃し固まった。
そこにさらに流星がジャンプしてキックをする。
パリ、パリパリ。
固まった偽八雲にヒビが入る。
マチルダは、固まっている間にピノを助け壁際のデカピノも部屋の外へと逃した。
残るは八雲の股間に捕まっているチビピノのみ。
マチルダと流星はアイコンタクトをすると、一気に八雲のシーツを剥がした。
「?!」
しかしそこには八雲の影と形も無かった。
「八雲は何処へ、チビピノは?」
流星が上を見ると天井にピタリとくっ付いている八雲がいた。
チビピノが動くのか、腰をもぞもぞと動かしている。
「このぉー、ピノ泥棒」
「ピノを返すでつ」
八雲VS腐魔女の因縁の対決が、今始まろうとしていた。
ぴぃー。
チビピノの叫び声が試合開始の音となった。
八雲汁でテカテカに黒光りしている八雲が、カサカサと天井から壁へと這う。
「この変態、変な風に這うんじゃない」
マチルダが手をピストルの形にし魔力を指先に集めると拳銃の要領で撃つ。
ひより直伝の技だ。
なんでも、ひよりが彼氏から護身術用に教えられたとかで簡単な上に、慣れれば連写も可能。
「わぉ、これは便利だわ。流石、特殊部隊の彼氏は発想が違うわね」
マチルダは感心しながら魔弾を撃つ。
その魔弾が、八雲の手を撃った。
「うわっ」
八雲の手が壁から離れ落ちるかと思われたが、なんと八雲はその場で壁にくっ付いたままだ。
「ふふーん。甘いでち、八雲汁であたちの体は壁にペタリンこでち」
と、マチルダと流星の方へお腹を向け手を離して壁にひっつく。
股間からはチビピノが顔を出し、必死で助けを求めていた。
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