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「まあ、訓練をしてなきゃあ飛べないっすよね~。あれは、魔力コントロールとバランス感覚が物を言うっすからねえ~」
僕は頷いた。
「最初は乗ったまま浮かぶ事も出来ませんでしたから」
そう。誰も教えてくれる人は居なかったのだから。
全てが試行錯誤。
全部僕が考えた。
沢山の方法を試した。
失敗も多かった。
一番慌てたのは、箒が勝手に飛んで行ってしまった事。
でも、不思議な事に勝手に箒は戻って来たんだ。
まるで箒に意志が宿ってるかのように・・・・僕にすり寄るようにして。
それから、僕は本気で箒を大事にした。
柔らかい布で毎日吹き上げたり、箒の尾に絡んだ葉を丁寧に取り除いたり・・・・。
すると、益々箒は僕になつくようになったんだ。
他の誰にも触らせない位にね。
別の魔法使いにもだよ?
その魔法使いは驚いてた。
きっと、この箒には不思議な力が宿ってるんだろうねって笑ってた。
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