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猫になりたい。
右前足に顔を乗せて、柔らかな躰を丸めていたい。
瞳は閉じたまま静かに呼吸を繰り返し、艶のある体毛は、ゆっくり上下に動いている。
永遠を切望する瞬間 。
陽の光が差し込むと、いつもそう思うんだ … 。
「早く起きないと遅刻だよー。」
廊下奥の台所から呼ぶ声に、僕の瞼はゆっくり開く。
んーそう、猫になりたい… 。でも… なれない。
今日も世界は光で満ちている 。
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