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「大変でしたね」
事故の状況説明を終えた彼女が、和也に微笑みかける。
彼女の名前は、「荒井 麻里」 OLをやっていて。今日は、コンビニに買い物へ行く途中で、事故に巻き込まれたらしい。
二人の目的地が同じなので、コンビニまで、一緒に行くことにした。
道中、和也は何度も、麻里にお礼を言ったが、麻里は、「気にしないでください」と笑って受け流した。
コンビニに着き、和也は、ポテトチップスと、その他消耗品をカゴに入れ、レジを終えると、麻里のほうへと向かった。それと同時に、コンビニの自動ドアが開き、光を纏った男が入ってきた。
男が、店に入ると、床に無数の光が現れた。
フードを深く被ったその男は、レジによじ登った、レジの上に立った男は、店内に響くように叫んだ
「全員動くな!今、この店内に地雷を仕掛けた」
店内は、その男の言葉にどよめいた。男はさらに、淡々と続けた
「お前たちは、いまから俺のモルモットだ、俺に歯向かうやつは爆破する」
手を広げ、演説する男は、見るからに丸腰だった。
「いい加減にしろ」
一人の客が、男に向かって叫んだ。その客は、フードの男に向かって歩み寄る、五歩ほど進んだころに、客は光る床を踏んだ。
瞬間、『ボン』と軽い音と同時に客の体が吹き飛んだ。コンビニの中は、一瞬にして異臭に包まれた、赤く染まった煙りが、コンビニ内を漂う。
「ハハッ、本当に爆発しやがった」
フードの男が、興奮しながら喋る、続けて、レジの店員に命令した。
「おい、お前、警察に電話をかけろ」
店員に電話をかけさせると、その電話を奪い、警察と話し始めた。
和也は、へたり込んでいる麻里の肩に手をおき、言った
「大丈夫、今度は僕が守ります」
麻里は驚き、顔をあげる、すると和也は、フードの男に向かって走った、床の光を避けながら、レジへと近づく。
警察との会話に集中していた男は、近づく和也に気がつかなかった、和也の右ストレートが、男の顔を捉えた、吹き飛んだ男はレジの奥に落ちた、すかさずレジを乗り越え、男を取り押さえる、爆発はしない。
安全を確認した店員も、加勢に入る。最初は抵抗した男も、やがて観念したのか、抵抗をやめた。
無抵抗の男は、和也を見てニヤリと笑い言った
「お前も、魔法使いか」
「どういう意味だ」
和也が問うても、男は答えなかった。しばらくして、警察が到着し、男は警察につれていかれた。
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