発現

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警察に連れて行かれる途中、男が振り返り、和也に話しかけた 「ヒントをやるよ」 何度聞いても口を開かなかった男の、突然の発言に、和也は驚いた。 そんな和也を嘲るように、男はフッと笑った 「お前童貞だろ」 「ナッ!?」 動揺する和也をみて、さらに続けた 「安心しな、地雷は解除しといたから」 そういうと、男はパトカーへと、歩きだした。 和也が、店内を見渡すと、床の光が一つ残らず消えていた。 「斉藤さん、大丈夫ですか」 麻里は、和也に駆け寄った 「どうして、地雷の位置がわかったんですか?」 麻里は、和也に問うた。 「僕、荒井さんに助けてもらったときに、不思議な能力に目覚めたと思うんです」 「多分、その能力は、危険なものを察知して、光で知らせてくれるんです、だから地雷の位置がわかりました」 笑顔で語る和也に、麻里は続けて問うた。 「でもそれって、間違ってる可能性もあったんじゃ?」 解せないという表情の麻里に、和也は言った。 「はい、確証がもてたのは、無傷でレジまで辿り着いたときです」 「それって」 麻里の疑問を遮って、和也は、話しを続けた。 「でも、生きてます」 和也は、笑顔で答えた。 『ドサッ』と、フードの男が、大袈裟に座席に座る。 「なあ、このまま海とか行ってよ」 パトカーの運転手に言った、すると、男の横に座っている警察官が、男に言った 「海には行かない」 男は、ハァーと息を吐いて、座席に深く掛けた 「へいへい、おとなしく刑務所に行きますよー」 不貞腐れた男の言葉に、警察官は淡々と答えた 「この車は、刑務所にも行かない」 「ハッ??どういう……グッ!」 男は、首筋に衝撃を感じ、すぐに意識を失った。
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