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「荒井さんからだ」すぐにメールを確認する。
『斉藤さんは童貞ですか?』
なんの脈略もなく送りつけられたその言葉に、深い傷を負わされた。『なぜそんなことを?』満身創痍な和也は、やっとの思いで返信した。すると、すぐに返事がかえってきた。
『インターネットで調べたところ、30才で童貞のかたは魔法を使えるそうです(o^^o)』
ネットで昔からいわれている作り話だ、彼女が本気で言っているのかわからないが、今の自分に見事に当てはまっていた。
『そうかもしれません』
和也が送る。
『よかった!謎が解けましたね\(^o^)/』
彼女は、ネットに詳しくないのだろう、使い方を間違えているその顔文字は、皮肉にも和也の心情をうまく現していた。
まさか、昨日会ったばかりの女性に、童貞をカミングアウトするとは思ってもみなかった。
『本当によかった、ありがとうございました\(^o^)/』
和也は返信を終えると、自分のアパートへと向かった、アパートへ向かう途中、突然後ろから、黒い布を被せられた。視界がなくなりポケットの中で震える携帯の感触が、やけによく感じられた。
『ヾノ≧∀≦)oイエイエ!どういたしまして
(=゚ω゚)ノ』
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