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「そうしたら、その祭りを祭る祭りもめでたいものだろう?なんせ祭りを祭るのだから。そう考えた村人は、祭りを祭る祭りをまた祭る祭りを行ったっていいのではないかとな。言いたい事はわかったかね?」
「もしかして、ずうっとお祭りを祭るお祭りを行ってきたということ?あまりに馬鹿げてるわ。毎日がお祭りだなんて、疲れちゃう」
「いいのさ、馬鹿げていて。いかれちまった村は楽しいよ、堅苦しい大きな街と違ってね」
「私の村は毎日がお祭りではないけれど、堅苦しくなんかないわ。一年の行事を改めるべきよ」
「かっかっか!そうだな。いつか祭りが終わる日が来れば、それもいいかもなあ…」
そう言うと、茜色のはっぴの男はフラフラと踊りに加わり、楽しそうに笑っていた。
私には到底理解できないなと呟けば、少女は踵を返し、村を後にした。
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