第11章 君臨する邪まな聖徒

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「いいんだ」 僕は愛しい恋人に接するように そっと肩を抱いて薫の耳元に囁く。 「僕には君だけ」 わざと見せつけるように笑ってやる。 早乙女は嫉妬と羨望の入り混じる どろんとした目つきで僕らを見ていた。 分かってたんだ。 踏み躙れば踏み躙るほど 僕への愛着――すなわち強力な崇敬の念が増すことも。
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