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「がんこーがんこーカリスおばあちゃんはーがんこなのーやれやれカリスおあばちゃんー」
もっと早く折れてくれれば、もっともっとおばあちゃんは楽になっていたとレイナは思った。頑固者は困りものだと感じていた。
「おお!」
ふと、レイナが歩みを止める。目に入ったのは、菓子を中心に売っている店だ。クッキーやパン、あめ玉など色とりどりお菓子が、ところ狭しと並べられている。一緒に殴り書きで料金が書かれていたのをレイナは見つけた。幸いカリスから文字を教えられていたため、読むことができた。
レイナは右手を広げて先ほど主人から受け取ったおつりを確認した。額を見ると、あめ玉くらいは買えそうである。あめ玉はお使いの中身に入ってはいないが、買えばカリスが喜んでくれるかもしれないとレイナは思った。
「よし。買おー!」
レイナは店番に硬貨を渡し、あめ玉二つを購入した。
「うふふ。きっと『あらあらレイナや。あめ玉まで買ってきたのかい。気が利くねえ。さすがは大きくなっただけあるねえ』とおばあちゃんは言うんだあ! ふふーん。楽しみ楽しみー!」
あめ玉をかごの中に入れたレイナはまたぴょんぴょん跳ねながら街を後にしたのだった。
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