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「……ディオミス。おっと、覚える必要はないぜ。すぐに死ぬからなあ!」
ディオミスがぐっと体を沈め、跳ねるようにカリスへと体当たりする。巨大な犬の形をした獣のカトゥルスが慌ててカリスの前に出て、ディオミスをその巨体で受け止める。カトゥルスは後ずさりをしたものの、なんとか踏みとどまった。
「ほう。俺様の突進に耐えるとは、やはりいい! 当たりだ! おらあ!」
すぐに体勢を整えたディオミスが、カトゥルスに回し蹴りを決める。カトゥルスはその体を宙に浮かべ、何度もバウンドしながら吹っ飛ばされた。
「カトゥルス!」
「余所見をしている場合か?」
「くっ!」
ディオミスが大地を一蹴りし、一瞬でカリスへと迫る。右手を振り上げ、鋭利な爪と共に勢いよく振り下ろす。
カリスはそれをとっさに銃ではじいて受け流すも、体勢が崩れ膝をついた。
「もう終わりか?」
「まだまだ終わらないぜ! オイラをなめるな!」
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