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やっぱり人が多いとレイナは思った。街は活気にあふれ、人々がせわしなく行きかう。入り口から見える広場には出店が多数並んでおり、広場の周りにも、レイナの家とは比較にならないくらいの大きな建物ばかり並んでいる。ここが初めての場所なら迷子になったに違いないとレイナはカリスに感謝した。
「さてと、お店お店。りんごーりんごー」
レイナは街の中にある目当ての店を探した。元々店が目立つ場所に陣取っていることもあり、レイナはすぐに見つけることができた。
「お、レイナちゃんじゃないか。今日はカリスさんと一緒じゃないのかい」
「うん。今日は一人なの。お使いなの!」
「ほう、それは偉いねえ」
店の主人が感心した表情を見せる。そこは果物を中心に食材を取り扱う店であった。ここの店はカリスのお気に入りで、街に来た時は必ず立ち寄っていた。自然と、レイナと主人も会話するようになった。
「それで、今日は何を買うのかい」
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