52人が本棚に入れています
本棚に追加2
「なるほど、大体分かった」
とりあえず僕の部屋に彼女を入れ、床に正座をさせた。事情聴取した結果、彼女の基本的プロフィールが明らかになった。
名前は桐谷ユーリヤ。母はロシア人、父は日本人のハーフだ。両親は既に咲いている。それからロシアでうろうろしていたが、父の祖国を訪れてみたくて十年前に貨物船に紛れて入国。それから無法地帯を避け、ホームレスをしていたらしい。
「きみ、やっぱり不法入国者じゃないか……」
僕がソファーに座り、がっくりと首を落とすと、彼女は困ったように笑う。
「そうとも言える……かも」
「そうとしか言えねえよ」
待てよ。ということは、何だ。僕は今、不法入国者を匿っていることになるわけだ。一刻も早く追い出すべきだろう。警察に突き出すか。……しかしだ。警察に連れて行っても、施設の類には入れない。両親が咲いて孤児になった子供なんて腐るほどいるからだ。追い出しても彼女みたいな少女はまた略奪されて終わりだろう。最悪のたれ死ぬ。そんなことを僕は望んでいないし、夢見が悪い。
「……それで、ユーリヤはどうしたい」
僕のその質問をどう受け取ったのか、笑顔になる。
「アリさんのおうちに住みたい!」
「在原だ。勝手に略すな。それに質問しただけで、それを叶えるとは言ってない。その希望に満ち溢れた表情をやめろ」
「そ、そんな……! じゃあ追い出すの?」
「それも辞さない構え」
「アリさんの家の前で死んでやる!」
「お前って嫌なやつだな……」

最初のコメントを投稿しよう!