第1章

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「あぁ、BA!眼が覚めたか?」 その声に振り向くとGIが駆け寄り、私の手を両手でギュッと握った。 「ッッく……」 嗚咽混じりに涙を流しながら握る手の甲をさするGIを、朧げに見詰める。 訊きたい事が、沢山ある。 だけど上手く口が動かない。 それを察してかGIは、背中を優しく撫でながら噛み締めるように数回頷いた。 まだ現状を理解出来てはいないけど、愛しいこの人が居てくれるなら それでいい… ぎゅっと温もりに包まれた手を握り返す。 刹那、引き寄せられ抱き締められた。 ホッとする… 何よりも、GIの温もりと 変わらない彼の香りが 私の安定剤… 彼の胸の中で気持ちを落ち着かせ、少しずつ記憶が鮮明になり ぽつりと呟いた。 「…私達の…、私達の赤ちゃん…」 私は一体、どれくらい眠っていたのだろう。 言葉を発する事が、久しい気がした。
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