第1章

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背中の撫で続けていた彼が、耳元に言葉を落とす。 「BA…、問いたい事が山のようにあるじゃろう?だが今は大事をとって…」 「…ダメ、だったの?死んでしまったの?」 涙でやっと鮮明に見え始めた視界が、またジワリと歪みだす。 「そうじゃない。だけど今は…」 ーーーゆっくり休んで… その言葉はまるで催眠術のように、スーっと聴覚から脳に浸透する。 ーーーふわふわした感覚の中 夢をみた。 ONIを撃退した私達のチームが惑星に報告すると、大きなモニターで歓喜しはしゃぐみんなの姿… 愛しい人の逞しい背中が誇らしくて 私はそっと後ろに寄り添い微笑み合うの。 誰もなし得る事の出来なかったプロジェクトを 私達が勝利を得た事に そして、これからの私達の輝かしい未来に 胸が震えた。
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