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背中の撫で続けていた彼が、耳元に言葉を落とす。
「BA…、問いたい事が山のようにあるじゃろう?だが今は大事をとって…」
「…ダメ、だったの?死んでしまったの?」
涙でやっと鮮明に見え始めた視界が、またジワリと歪みだす。
「そうじゃない。だけど今は…」
ーーーゆっくり休んで…
その言葉はまるで催眠術のように、スーっと聴覚から脳に浸透する。
ーーーふわふわした感覚の中
夢をみた。
ONIを撃退した私達のチームが惑星に報告すると、大きなモニターで歓喜しはしゃぐみんなの姿…
愛しい人の逞しい背中が誇らしくて
私はそっと後ろに寄り添い微笑み合うの。
誰もなし得る事の出来なかったプロジェクトを
私達が勝利を得た事に
そして、これからの私達の輝かしい未来に
胸が震えた。
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