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INUとGIは顔を見合わせた。
何かを決意したようにどちらかともなく無言で頷き、腰をおとして私と目線を合わせる。
いつになく真剣な表情と緊迫した雰囲気に
私の喉が鳴った。
「BA…。一番訊きたいのは、俺たちの子供の事…だな?」
ぺったんこになったお腹。
目が覚めた時に気付いていた身体の違和感。
丸みを帯びていた愛おしい分身の居た筈の下腹部を右手で触りながら、コクンと頷いてみせた。
悪い方に考えたくない。
私とGIの子…
ずっと、ずっと、望んでいた私達の子…
不安に圧し潰されそうになりながら、GIとの視線を逸らす事なく見詰め返す。
彼はそんな私を目尻を下げ愛おしげに微笑み、頬を優しく撫でながら囁いた。
「…私達の子供は元気だよ?…何をそんなに怖がっているんだ?」
身体が震えていた事を、GIの言葉で知る程に緊張していた。
だって私…
出産した記憶が…
一切、無いんだもの…
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