第1章

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「とても元気な男の子だよ。よく頑張ってくれたね!BA」 頬から後頭部に伸びた手により引き寄せられ抱き締められた。 「名前はまだ決めていないんだ。やっぱりBAに名付けて貰おうと思って」 ああ…私… ちゃんと産んだんだ。 記憶がないのはきっと全身麻酔でもされたんだろうか? それとも産みの痛みに失神したんだろうか? 胸の奥に若干のしこりはあるものの、GIの言葉を信じる。 「…BA」 彼の肩越しに話しかけられ視線を向けると腰を下ろしたINUと目が合った。 「お目覚めを、お待ちしてました」 「…ごめんなさいね。心配させたわ」 「良かったです。地球着陸時、腹部を圧迫した事が原因で母子共にとても危険な状態でした。僕が出産のお手伝いを…」 その時を思い出してか、瞼を伏せ眉を寄せると、今にも泣きそうな顔を見せた。 なんでも完璧にするINUの、そんな崩れた顔を見るのは初めてで面食らう。 だからこそどれだけ皆に心配を掛けたのか実感した。 「…INU、GI。有り難う…。心配を掛けてごめんなさいね」 交互に二人の顔を見てそう言った後、言葉を続ける。 「…私の赤ちゃんは、どこ?」
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