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side Blue
織部君に抱きしめられたまま透明な涙を流し続ける貴方にランはとても残酷な事を言っている。
「忘れていいの。全部忘れて。ランのことも嵐のことも…。」
「ダメ…ダメだよ…。忘れたらダメなんだよ。」
子供のようにイヤイヤをするなんて…。忘れた方が楽なのにね。
《幸せになって欲しい…。》
そうだよ嵐。
この人を幸せにするために、ランたちは手を組んだ。
「織部君、佐野先生の顔を押さえて。」
「佐野先生、ランを見て。」
瞳に力を込めて、貴方を見つめる。あなたの中にランが映る。
ランの中に貴方が映る。
「捕まえた…。」
「バイバイ…ランは覚えてる。だから、嫌なもの全部壊れちゃえ。」
「イヤ…君を…君たちを、忘れたく…な…い。」
「貴方を探すよ。貴方が忘れても…僕が貴方を見つけ出すから…。忘れて生きて。」
織部君が貴方を抱きしめる。真っ白になった貴方を…。
ずるい…ずるい…。
《どうして…織部君なんだろう…どうしてあの場所にいるのが彼なんだろう…。》
「嵐…壊してあげる。織部君の記憶も。」
バイバイ…織部君。
あの人はラン達が守るよ。
だから消えちゃえ、あの人のこと…全部。
ナクナッチャエ!
だから、ランは罰を受けた。
あの人はあなただたのに。
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