傷痕

4/11
前へ
/30ページ
次へ
side Black 目が覚めた時、一番に見たいもの… それは 先生の笑顔 ヒマワリみたいな先生の笑顔。 なのに…先生からは笑顔が消えてた。 何かに怯えるように、触れることさえ怖がるように。 どしうしてそんなに怖がってるの? 嵐を見て、嵐に笑ってよ。 嵐と遊園地に行くんでしょ。 先生、先生…。 嵐を見て…。 《ラン…知ってる…。》 「だっ誰!?」 僕はまわりを見た、誰もいない。 《右…側…。》 右って…右は鏡…。 トクンっトクン…。 「まさか…。」 《私…ラン》 僕は鏡に手をついてマジマジと鏡の中の自分を見た。 鏡の嵐は少しだけ優しく穏やかな笑顔をしていた。 「僕は嵐。よろしくね、ラン。」 《よろしく…嵐》
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加