第1章

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この世界には三種の種族が住んでいる。 一つは〝人間〟 「はっ!…はっ!……嫌だ…嫌だ…こんなところで死にたくない!!!」 真っ暗な夜。一人の若い男が時折後ろを振り返り、何かに怯えたように逃げる姿がある。 「みぃーつけた」 「ひっ!!!……嫌だ…誰かっ…」 「もう、鬼ごっこは飽きちゃった……楽しかったよ、おにぃーさん」 「う"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"!!!!!!!」 グチュ……グチャッ ドサッ ドサリと倒れた男を、深く被ったフードの中から冷たい何も感じさせないような白眼で見つめる女。口の周りについた血を舐めとると、唇からこぼれる牙が不気味に光る。 「もう少し美味しいと思ってたけど………期待はずれね」 女は倒れた男の頭を踏む。 もう一つは人間を捕食とする〝吸血鬼〟 そしてもう一つ……。 「よぉー、派手にやってくれたなヴァンパイア」 建物の上から女を見下ろす男の姿。 「あら、随分お早い登場ねハンターさん?」 「お前らと話してる暇はない……… …………狩りの時間だ」 男は建物から飛び降りると、持っていた刀を女吸血鬼に振り下ろした。 吸血鬼を狩る特別な力を持った〝彼岸〟 この世界には〝人間〟〝吸血鬼〟〝彼岸〟の3種の種族が生活している。
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