第1章

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〝だから、だめって言ったんだ〟 〝うそ…だろ〟 〝隼人、うちを殺せ〟 ________________ __________ _____ 『………んっ』 目をゆっくりと開ける。 …………何か腹部に違和感が。 違和感を感じる腹部に目を落とすと。 「……んーー、柔らけー」 男がうちの体を抱き枕のようにし、腹に顔を摺り寄せていた。 髪から覗く気持ち良さそうな寝顔は見覚えのあるやつの顔だった。 『なんで、てめぇーがここにいるんだよ!!!』 ゴツッ!!!! 「!!!?いっでぇぇぇぇえ!!!」 擦りつけてくる頭を殴ると男は飛び起きた。それを見逃さず、腹を蹴りベットの上から追い出す。 「いてぇぇぇえよ蒼。そんな思いっきり殴ることねーだろ、仕事帰りで疲れてんだからよ」 『だからなんだ。てか、自分の家に帰れ。お前はいつから寝込みを襲う変態になった?隼人』 跳ねた黒髪。 高い鼻。 くっきりした二重。 紫かかった黒い瞳。 まあまあ整った顔をしている、寝込みを襲おうとしたこの変態男は幼馴染の黒田 隼人。 彼は〝彼岸〟に属する。
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