第1章

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授業が終わり、帰ろうとしていた時だった。 「よっ」 と言って校門の前で待っていた隼人。朝より顔色がいい……うちがいやいや授業受けてる中、隼人はうちのベットでぐっすり寝てたんだろうな。 と、思うけどハンターの仕事をしてきたから多めに見てやる。吸血鬼との戦闘はかなり激しいものらしいから。 12の時に学校を卒業した10年に1人の逸材と呼ばれるのも大変なんだろーな。 『何しに来たの』 「迎え………とデートしよーぜ」 『別に迎えをもらうほど子供じゃ……はっ?』 この男は今なんと言った? 「ほら、行くぞ!!」 『なっ……おい、ちょっ!』 聞く耳持たず、隼人はうちの手を取り走り出した。 『おい、どこに……はぁー、どこに連れてくると思ったら』 「ニシシッ、きれーだろ」 連れて来られたのは、家の近くの山を登ったところ。そこだけ木はなく広場のようで、その中心には大きな桜の木がある。 『本当ロマンチスト』 本人いわく、いつかはこうゆう静かで綺麗な場所で彼女に思いを告げたいらしい。隼人にはよく、景色のいいところに連れてこさせられる。 「な、なんだよ!気に入らねーのか!?」 『別にそんなこと言ってないだろ………ここは気に入った。今日だけお前に付き合うよ』 そう言って隼人より先に桜の木に向かって歩く。
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