第1章 第1神話 たすけ亭シグナル

2/5
前へ
/339ページ
次へ
「こんにちは。キャスターの立花響子です。本日早朝に発見された美咲公園での巨大な足跡を皆様はご存じでしょうか?今回はこの足跡の謎に迫りたいと思っています。こちらの足跡を発見された男性にインタビューを・・・・」 小さな応接間のソファに足を組みどっしりと座り、昼時のワイドショーを見る男。名は星乃上希望(ホシノウエキボウ)。通称ホープ。 「私が今朝、ここでジョギングをしていたらこれで躓(つまづ)き転んだんですよ。雨上がりだったのでおかげで服は泥だらけ。ほんっとに迷惑な悪戯ですよね・・・。」 プチン。 ホープはテレビのリモコンを持つとボタンを押し、電源を消す。そして箱からタバコを取り出せば口にくわえ、火をつける。 「イタズラァ!?何もわかってねえ癖に、偉そうな事いってんじゃねえよおっさん!」 そういうと顔をしかめながら、フゥーとタバコの紫煙を吐き出た瞬間。どこからか飛んできたクマのぬいぐるみがホープの顔面を直撃した。 「っ・・・!いっーてなこのクソアマ野郎!!」 ホープが顔を向けたその先にはいつのまにか煙草を取り上げ、見下した顔でホープを見ている女。名は飛沫奈津華(シブキナツカ)。通称ナッカ。 「ここでタバコを吸わないと言った筈です。タバコ吸うならベランダに出てください。・・・それと私は野郎でもクソアマでもないので、次言ったら木彫りバージョンが飛んできますから。」
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加