31人が本棚に入れています
本棚に追加
などと言いつつも兄妹を抱えるホープ。
「家までは送ってやる。こいつにこんなにボコボコにされたけどなッ!!!」
そんなあまのじゃくなホープの姿を見てクスリと笑うナッカ。ゆっくり立ち上がるとふらふらと歩きながらホープの後ろを着いていく。
「この二人はちゃんと元の兄妹に戻れるのでしょうか。記憶は失ったけど兄に殴られた心の傷は残ってしまいます。」
そんなナッカの言葉にホープは立ち止る。
「知るか。テメェは優しすぎんだよ。本当の兄妹ならそんな事気にしてねェんじゃねぇか。ただのでかい兄妹喧嘩と思っとけ。それでもまだ困った事があったら、ウチに来ればいい。それが俺たちの仕事だ。」
兄妹のポケットの中にはたすけ亭シグナルのチラシが折りたたまれて入っていた。いつの間にかホープが入れた様だ。
「貴方もね・・・。あっそろそろ神刻<クロノ・ナンバー>が終わるかもしれません。急いで車へこんな姿を見られたらまずい事に!」
二人が車に戻り走り出すと、神刻<クロノ・ナンバー>は終わりを告げ、空は綺麗に澄み渡っていた。
第1章 終
最初のコメントを投稿しよう!