第2章 第1神話 希望のおばさん

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「おっそいですね。早くプリンを頂きたいのに・・・。」 ホープがコンビニに行き30分近く経った頃、はやくプリンを頬張りたい。そんな気持ちでうずうずしながら書斎兼事務所にあるデスクの椅子に座っているナッカ。すると部屋の中にはピンポーンと鳴り響く。 どうせセールスか大家の家賃徴収か、ここ1カ月の間に依頼人はほぼ0。どうせ依頼人では無いだろうと、はぁとため息を吐き立ち上がるとナッカは玄関まで向かっていった。 「今開けます。・・・。」 ガチャリ、扉を開けるナッカ。そこにはきらびやかな装飾品をいくつも身に着け、値が張りそうな派手なコートを着た小太りの中年女性と、タキシードを着たスリムな長身の男性二人が立っていた。女性の手にはシグナルのチラシを持ちながら。 「(チラシ持ってるこの人!なんか執事みたいな人もいるし!しかも絶対金持ちだわ!ちょっとはぼったくてもいいわよね・・・。うん!いいと思う!だってこのままじゃ撤退しなきゃいけないし、今後の為!)ご依頼でしょうか?」 見た目から相手がお金持ちだと判断すると、ナッカにしては珍しく腹黒くなる。だかそれは一切表情に出さず、相変わらずの営業ボイスと営業にっこり。
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