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「猫ちゃーん、オーロラちゃんとルビィちゃーん。出ておいでー。」
ナッカはニコニコ満面の笑みを浮かべながら、自動販売機の取り出し口を開けていた。ナッカの顔は泥だらけで、服はジャージに着替えているが、泥や葉っぱ等がついて汚れている。
「そんな場所にいる訳ねえだろ。」
その隣ではホープがヤンキー座りをしながら煙草を吹かしていた。ナッカも同じくジャージを着ている。
「文句ばっか言わないでしっかり探してください。」
ナッカはホープから煙草を奪い取れば、それを地面でぐりぐりと踏んづける。
「テメェ!3日間もずっと探してんだぞ!進展もくそもねぇじゃねぇか!いくら金の為とはいえこんな依頼どう達成すんだよ!」
ホープ達は依頼を受けてから3日間、早朝から深夜にかけてずっと猫探しを続けてきた。しかし、そう簡単に猫など見つかる筈もなく、疲れとストレスが溜まっていく一方だった。それに対してナッカは笑顔を崩すことなく、ひたすら猫を探していた。
「知らないですよ!探すしかないでしょう!諦めたら誰が困った人を助けるんですか!もう、代表と喧嘩してる時間が無駄ですね。ねこちゃーん・・。」
そういって、またナッカはネコ探しに没頭する。
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