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火が燃えている。毎日、少しづつ増えている。
一つ一つは大きくはないけれど、宙に浮いてる。
青いのも、白いのも、赤いのもある。でしょう。
星のように見える。部屋の電気を消してみる。
もう数える事が出来ないほど。だから星空かと。
触ることはできなけれど、近寄っても熱くない。
燃えながら飛び回るのは、流れ星みたいだし。
勝手によけるし、カーテンにも燃え移らない。
これだけの数が、燃えながら浮いてるけれども。
全く眩しくも無い。周囲を照らす事が無いから。
ビールを呑みながら、暗闇の小鳥を見つめる。
小鳥の姿に燃えて羽ばたいている。火の玉とか。
そういう火ではない。小鳥の形をして飛び回る。
これだけの数を殺してきたんだ。随分だよね。
もう部屋は鳥の火だらけ。私が捕まえたから。
譲る気もないし、譲る事もできない。出来る事。
どうやって、小鳥を捕まえたか教えてもいいよ。
屋上から飛降りた時の事なんだ。私の体が、
彗星みたいに、火の矢のように、しなりながら
地面に叩きつけられて、粉々に砕けたんだよね。
駐車場を見下ろし、左の自動車を避けないと。
砕けた私の粒や破片は、水晶の欠片っぽく、
どんな小さな部分にも、火が灯って燃えていて。
粉々の私は、私達は、空へ昇って行く。殺した。
花火の様に螺旋に昇り、羽を広げ小鳥になる。
燃えながら、自分の部屋へ飛び込んで行く。
水晶から燃え抜けた小鳥、部屋で次の私を見る。
そのうち次の私も屋上へ行くよ。散々だよね。
いつか落ちる前に鳥達が、助けてくれないか。
都合のいい事を考える様になった。勝手だけど。
もしも、それが起きたら私が私を助けるのかな。
毎日、毎日。何人も殺しても。次の私が待つ。
つっかえている。順番待ちの行列みたいに滑稽。
最後の私の番までに、小鳥は何羽になるのかな。
小鳥の火が増える事に、部屋はどんどん暗闇。
落ちる堕ちる、燃える焼ける、消える朽ちる。
羽が燃え尽きて落下していく。激突する為の間。
燃え上がる気持ちを維持してて。お願いだから。
無数の夜雀になって、貴方の部屋に行くから。
暗闇の部屋で待っていて。一緒に落ちてあげる。
夢に堕ちるでしょう。睡魔に勝てないでしょう。
どこまで落ちても火は燃えてる。だけど鳥目。
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