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その星には彼等の十倍、いや百倍以上あろうかという二足歩行の生き物がいた。
その生き物は上に何かを羽織り、時々同じモノを着た若い生き物までいた。
頭の上には彼等と同じくらい黒い物を生やした生き物だった。
他には四足歩行で毛が柔らかそうな生き物や空を飛ぶ生き物まで幅広くいた。
「これはスゴい!」と彼等の内の若い者が言った。
中から「この星の住人が出入りしている建物があるから入ってみよう」なる意見が聞こえたので、若い彼等の仲間は円盤の中に戻った。
建物の扉が内側から開き、二足歩行で歩く生き物が出てきたので閉まらない内に中に入った。
そこには先程出て行った生き物をそのまま小さくしたような生き物ばかりいた。
所々には先程見掛けた大きさと同じ生き物がいて、小さい生き物の相手をしていた。
彼等は木を見た事が無かったのでこの木製の建物は初めて見るものばかりだった。
「外に出ようか」
「そうしましょう」
彼等は皆、外に出た。
円盤は物影に置いてきた。
嬉しさの込み上げる限り彼等は走った。
「こんな所があったなんて!」
誰もがそう思った次の瞬間、大きい生き物がこちらを向いた。
その目は血走っていた。
彼等の一番大きい者が明るみに出て説得を試みようとしたが、潰されてしまった。
黒い彼等は、逃げた。
こちらは太陽系第三惑星[地球]
多分[地球]の中でも大きめの海[太平洋]
その近くにある島国[日本]
山深い所に木造でできた全校生徒七人の小学校があった。
先生が捨てる予定だった紙製の物で潰したソレは生徒を唖然とさせるモノだった。
そこにいたのは、口に出すのもおぞましいゴキブリだった。
黒い彼等はすごすごと自分の星へ帰っていった。
帰り際に船長らしき者がはなった言葉がこちら。
「同じ姿の生き物があの星にはいたがすぐ逃げられてしまった、追いたかったがあの大きい生き物に潰されちゃかなわないから諦めて帰ってきたのだが、君はどう思う?」
答えはただひとつ
「……………」
"沈黙"である。
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