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このあいだにホセ・アルカディオ・セグンドの弟アウレリャノ・セグンドと都会からやってきた妻フェルナンダ・デル=カルピオのあいだに、神学の探求にはげむホセ・アルカディオ、外からブエンディア家にひとをやたらと連れてくるメメことレナータ・レメディオス、ブリュッセルに留学することになるアマランタ・ウルスラがうまれそだち、メメはバナナ工場ではたらくマウリシオ・バビロニアとのあいだにアウレリャノ・バビロニアをもうける。
第四部はメメとマウリシオの子アウレリャノが、叔母であるアマランタ・ウルスラと不倫関係におち――アマランタ・ウルスラはブリュッセルでガストンという実業家と出会ってむすばれ、マコンドにもどってくるとガストンは海外での仕事のためにフェードアウトしていく――、そして近親姦のすえに豚のしっぽをもつアウレリャノがうまれてくることになる。
家系図を見ながらでないと何度読んでも混乱するが、あらすじを言えと言われればこうなる。
ここには、世代を経てのくりかえしがある。おなじ名前のつかいまわしも、周知のように意図的なものだ。
そしてブエンディア家さいしょのホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラが一蹴した迷信「近親婚をすると奇形児がうまれる」が、さいごには現実のものとなり、ブエンディア家はほろびる。
円環のほうはあとでふれるとして、反復のありようからみていこう。
アウレリャノを名のる者は内向的だが頭がいい。一方、ホセ・アルカディオを名のる者は衝動的で度胸はいいが、悲劇の影つきまとう。どちらとも言えないのは、ホセ・アルカディオ・セグンドとアウレリャノ・セグンドのふたりの場合に限られていた。(『百年の孤独』新潮社二〇〇六年版、二一九頁)
「この家の人間はみんなそうなのよ。生まれつきおかしいんだわ」。時がこの混乱にけりをつけた。人騒がせなゲームのなかでアウレリャノ・セグンドのふたりの場合に落ち着いたほうが祖父とよく似た巨漢に、そしてホセ・アルカディオ・セグンドに落ち着いたほうは大佐そっくりのやせぎすな男に成長し、たがいに似ているところは、一家の者がみなそうだが、どことなく淋しげな感じだけになったのだ。恐らくウルスラは、この背丈や名前や性格の交錯を目にして、彼らは子供のときから、カードを切るようにまぜ合わされたと考えたのだろう。二二〇頁~二二一頁
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