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次の日。
心を躍らせながら、私は颯爽とCOREのドアを開ける。
もちろんトモさんのお手伝いが一番の目的なんだけど、いつもと違う日常を過ごせることにドキドキしていたのも事実。
「仕事してんのに、何だか楽しそうだな?」
店内のモップ掛けをしていた私に、トモさんがそう声を掛けた。
「うん///すっごく楽しい♪」
「俺もひなみたいに楽しめたらな~♪
…あー……そういえばさ…Gacktのヤツ、なんか言ってなかった?」
「何か?うーん…特に何も言ってなかったけど…
でもね、昨日焦っちゃった///
たぶん武田さんからのメールだと思うんだけど、『明日の仕事が延期になった』って来て…
そしたらがっくんがね、『夕方アパート行っていい?』って言ってきたのー!」
私はモップ掛けしていた手を止め、トモさんのいる厨房へ駆け寄って、昨日のやりとりを事細かく説明。
「一人で焦ってたら、『トラブルが解消されたから予定通り行う』ってまたメールが来て!!
おかげでバレずに済んだんだけど、一瞬ヒヤッとしちゃった///(笑)」
私はそう言ってイタズラに笑ってみせると、首をすくめた。
「……そ、そうなんだ///」
この時の私はトモさんの歯切れの悪い返事の理由を知るはずもなく、秘密のアルバイトに胸を弾ませていた。
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