秘密のアルバイト

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「いらっしゃいませ///」 この言葉を口にするのは高校の時のファミレスのバイト以来。 普段は「こんにちは」と挨拶をするので、ちょっとだけ照れくさい/// …って、こんなこと気にしているのは私だけなんだけど。 お客さんからしたら何てことない言葉だ。 団体のお客様は若いサラリーマンの方々。 私は頃合いを見計らって最初の飲み物のオーダーを取りに行った。 そしてキンキンに冷えたグラスにビールを注ぎ、慣れない手つきで運ぶと、「カンパーイ♪」と楽しそうな掛け声と共にすぐさま飲み会が始まった。 トモさんによって美味しく調理された料理を、私は伝書鳩のように運ぶ。 「オーダー入ります!えっと……あれ?何だっけ? あっ、ハイボール!ハイボール3つ追加で!! 人数が多いせいか、がっくん達の時より忙しいね… トモさん、…コレ一人でやろうとしてたの!?」 私は10往復したあたりで、トモさんにそう呟いた。 「……………もしやってたら、とんでもないことになってたな(笑) マジでひなに手伝ってもらって良かったよ♪」 「ほんと!? 私、ちゃんと役に立ってる?」 「おぅ!いつものバイトより役に立ってる♪」 トモさんのお世辞に気を良くした私は、フル回転で仕事をこなすのだった。 .
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