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数秒後…
「お、お前、ホントに来たのかよ!?」
「来ちゃ悪い?」
「ひな、お前にバレてること知らないんだろっ?」
「そう!
だから俺が来てること、ひなには内緒ね♪」
「いやっ!それはムリがあんだろっ…」
そんな会話をしていたところへ、トレーに空いたグラスを沢山乗せたひなが近づいてきた。
するとトモさんは背中に俺を隠すように立ち、それはそれは…笑えるほどのぎこちない立ち姿。
でも自分の仕事をこなそうと一生懸命なひなは、これっぽっちもそんな不可解なトモさんに目も向けず…
「トモさーん!生3つ追加で♪」
「お、おうっ!
悪いけど…頼んでいいか?」
「うん、了解♪」
たぶん…いや絶対ひなじゃなかったら気づかれていただろう(笑)
「トモさん、俺あそこの席にいるから、くれぐれもヨロシク♪」
俺はまだぎこちなく立ち続けていたトモさんにそう声を掛けると、ひなが背中を向けている隙を狙って、フロアの一番目立たないテーブルに腰を下ろした。
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