秘密のアルバイト

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Gackt side ------------------------------------------ ひなが洗い物を始めたのを背中で感じた俺は、ひなに気づかれないように団体客の様子を念入りにチェックする。 「なにが合コンだよ…全員男じゃんかよ! しかもスーツ姿って…」 吐き捨てるようにそう呟いた俺。 合コンでないというのは昨日のトモさんの態度である程度は予想していたが、問題はスーツ! ついこないだ読んだ雑誌に、女性の6割が『スーツ姿の男性が好き』と答えていた。 スーツを着ていると2割増でカッコよく見えるらしい。 俺は撮影で着ることはあっても、ひなと会う時は普通の格好。 もしひなも雑誌に書いてあったように、男のスーツ姿に何かを感じていたら… 俺の考えがネガティヴな方向へと向かっていた時、トモさんが飲み物を片手にやって来た。 「車だから飲めないんだろ? ほら、気分だけでも味わえるノンアルコールビール♪ それはそうと…さっき、ひながお前んとこにオーダー取りに行こうとしたから、マジで焦ったよ… 寿命が縮まるかと思った…」 「で、なんて答えたの?」 「あの客はひなと似てる人に失恋したばっかだから、『そっとしといてやって♪』って! 咄嗟に出たわりに、真実味があんだろっ♪」 「……………………」 俺は得意げな顔のトモさんを横目に、持ってきてくれたばかりのノンアルコールビールを無言で一気に飲み干した。 .
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