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「お帰りなさいませ桂木様」
威圧感のある男が、平伏する神官達の間を歩き、無惨な姿で寝ている夏樹の横に座った
「3日だ」
夏樹を見詰めたまま、平伏する神官に目もくれず、桂木が言葉を発したが、神官達には何のことかが分からない
震える声で年長者の神官が、桂木に問い掛ける
「何がで御座いましょうか」
「貢ぎ物の傷が完治する期間がだ」
思わず神官達が平伏していた頭を上げ、夏樹を見詰める
本当にこの傷が、3日で治るのか
「流石は桂木様で御座います。貢ぎ物様の治癒をして差し上げるのですね」
「人の病は治せるが、傷は治せない」
「では、貢ぎ物様の傷はどのようにして」
桂木が神官達を振り返って、冷たい視線で見回した
「貢ぎ物の治癒力は、一般の者とは違う。今後儀式以外で貢ぎ物に触れるのを禁ずる」
「承知致しました。では、5日後の御披露目の儀式を行うのですね」
「ああ、貢ぎ物を縛る縄を用意しておけ」
神官達を見送って、辛そうな表情で夏樹の髪をそっと撫でる
「守ると言っただろうが、貢ぎ物になったら守りたくても守ってやれない。馬鹿夏樹」
「ごめんなさい。春樹兄さん」
霞んで見えなかった視界が、ハッキリと見えてきた
動かなかった腕も、動かせる
春樹兄さんの言った通り、普通の身体じゃないみたいだ
「儀式って何?桂木様って何?どうして僕は縛られるの?」
「桂木は神の遣いだ、巫女と神鳥の神託で選ばれる。儀式は、 貢ぎ物の身体を披露する場だ」
身体を披露って・・・・・・
「儀式の時に僕、抱かれるの?」
「そうだ。この町の男達と客人が貢ぎ物を抱ける場を作り、お前の抱かれる姿を神に披露するのが儀式だ」
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