第1章

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 ぐちゃぐちゃとした陰険な日本的な祭に完全に終止符を打つのは、新たなるアメリカ的なものだ。  古きアメリカ的な不発弾に火をつけ爆発させるのは、新たなアメリカだ。  新たなアメリカは、古きアメリカを吹き飛ばし、新たな種=不発弾を撒いていく。  日本的な汚さを抱えた怨念を満たす復讐は、新たなるアメリカ的なものに擦り寄ることによってしか達成できない。  麻生が田宮を潰すのは、内側にぐつぐつと煮え切った怨念=日本的なものがあるからだ。  それを具体的に達成する方法は、新たなるアメリカ的なものによって古いアメリカ的なものを消し去ることでしかできないのだ。  日本人が日本人に復讐するためにすら、アメリカに依存しなければならない。  古いアメリカ的なもの(田宮のパン屋)を潰す方法は、日本的な方法=コメを用いるのではない。  新たなアメリカ的なもの(チェーン店パン屋)に頼ることでしか達成されない。  どこから来たともしれぬ何かが、不発弾に引火する。  まるで自らが火を放ったかのように。  UFOの噂が聞こえてくるだろう。  引き金を引いた者はいる。  だが、それを仕掛けたのは、本当は誰なのか。  そう、若木山の不発弾を打ったのはデューク東郷である。
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