第1章

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 身もフタもなく言えば、ロボットのヒロインとは、人間女性の鏡である。 ・都合がいい、従属的⇔わがまま ・ぶっ飛んでる⇔常識的、日常的 ・人間以上の力を持ち、貸す⇔非力 ・機械的、ロジカル、無機的⇔感情的 『神のみぞ知るセカイ』の桂馬の言葉を借りれば「現実なんてクソゲー」だ。  プログラムされた女のほうが完璧なのだ。ロボットのヒロインは完璧な状態から始まりつつも、しかし不完全な人間に近づいていく。ほころびを見せ、弱さが露わになる。だから、いい。 『そらのおとしもの』は、序盤では巨乳のエンジェロイド・イカロスは機械の機械らしいおばかな部分や、願望をなんでも叶えてくれるという都合のよさ、従属的なところを見せる「エロいドラえもん」である。  しかし次第に同じ『ドラえもん』でも劇場版路線へとクラスチェンジし、「いい話」へと歩みを進めていく。  感情を制御されていたエンジェロイドたちが、気持ちを手に入れる/取り戻す。  そして性欲のかたまりでアホだが、やるときはやる主人公・桜井智樹への想いを昂ぶらせていく。その過程がすばらしい。  バカで欲望まみれな入り口と、泣ける出口。  それがロボットとの恋愛を描いたラブコメのセオリーだろう。
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