4.直感-prince-

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三つ目のボタンを外し、さらに下へとキスを落とした時だった。 ぐっと髪の毛を掴まれて頭に痛みが走る。 「り、ちゃ、ダメ…っ!」 「……ちょっとだけでも?」 「ダメ!」 「ちょっとやらしいことするだけ」 「ダメだってば…っ!」 「……。 …了解」 髪をぐいぐいと引っ張られて、さすがに酔っていた気持ちも痛みで少し和らいだ。 俺が棗を解放すると、棗がガバっとベッドから起き上がる。 真っ赤な顔で、でも俺を睨む顔はやっぱりかわいくて、もう一回押し倒してやろうか、という悪戯心も湧いてくるけど、……多分ダメだ。 というか、頭の中で支配された姉貴の言葉がよみがえる。 『男よりも優先すべきは女なんだからね!』 「……」 別に同意なくして、襲うなんてこと思ってるわけじゃないけれど。 棗をこの雰囲気に、俺の衝動に、流せたらいいのにな、と思うのが男心。 「さ、勉強するよ!りっちゃん」 真っ赤な顔で棗がパンパンと雰囲気を壊すかのように手を叩く。 俺は、そんな棗の行為まで可愛く見えて、今から勉強する気にはあまりなれない。
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