4.直感-prince-

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そんな自分に小さくため息をつきながら、俺の中での妥協案を出した。 「……んー、今度は図書館でやろうよ?」 「えっ、何を!?」 「……え、勉強だけど…」 「べ、勉強ね!!はーい、オッケー!!!」 何を想像したのか、棗の声がひっくり返っている。 というか、テンションが可笑しい。 その様子に察した俺は棗に少しだけ近づいて、その顔を覗き込んだ。 「…ね。 何想像したの?」 「いやいやいやいや、りっちゃん! 早く勉強しようよ?!」 「俺、そんな趣味はないよ?」 「わ、分かってるよ!! ごめんって、ちょっと私頭おかしいの!」 真っ赤になって、急いで俺から距離を取る棗を見て顔が自然と笑っていた。 やっぱり来週は図書館にでも行こう。 じゃないと、勉強は難しそうだ。
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