4.直感-prince-

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「お前ら、夏休み中問題起こしたりすんじゃねーぞー。 くれぐれも受験勉強に勤しむことを忘れるなー。 じゃ、解散―」 担任の一言で、教室中が、わっとうるさくなる。 明日から夏休みが始まる。 担任は面倒なことが嫌いなタイプのため、HRは結構あっさりと終わりをつげた。 俺の席に真っ先に来た一宮達樹(いちみや たつき)が、ガタンと派手な音を立てて俺の机に腰かけた。 「律、夏休みだな」 「……そうだな」 「おまえ、あの美人の彼女とヤるわけ?」 「……は?」 仮にも俺の机だということを忘れたのか、俺の机に立膝をついて達樹がニヤニヤと笑っている。 ふてぶてしい態度の達樹に俺はため息をつくと、パシ、とその立膝をついた足を叩いた。 「おまえ、立膝つくなよ。 これ、俺の机」 「小せぇこと気にすんなよ。 それよりさ、お前どうなの? 花城棗とヤんの?」 「…ほんと、下品だよね。おまえ」 「うっせーなー。 どんな言葉選んでも一緒だろ」 「一緒じゃないわよ」 怒ったような声が後ろから聞こえて振り返ると、後ろの席の佐野(さの)さんが、腰に手を当てて呆れたように達樹を睨んだ。 「少なくてもさ、達樹は場所を選びなさいよ。 私が後ろにいんのよ?」 「都(みやこ)は俺の中で女とカウントされてねぇ」
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