4.直感-prince-

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「張り倒すわよ、アンタ」 「そんな細い腕じゃ、なんもできねぇよ」 俺の机の上と、後ろの席でにらみ合いが始まる。 俺は小さくため息をつくと、 「達樹が悪い」 とキッパリと告げた。 それを聞いた達樹があからさまに嫌な顔をする。 そして佐野さんは満面の笑みを浮かべた。 「ほーら、みなさい!」 「ハ、こいつは常に女の味方だからだろ。 あてにならねぇよ」 「……別にそんなつもりはないけど。 とりあえず、足、おろせ」 「…って!」 バシッと強く足を叩くと、恨めし気に達樹がしぶしぶ足を下ろす。 でも俺の机に座っているのは変わらなかった。 もはや、これはどんなに否定しても無駄だとしっているので、ここで俺も譲歩する。 「で?どうなの結局。 ヤった?」 「そういうの言わない主義」 「つっまんねぇ男だな! 友人に美人の彼女ができても、なんの面白みもねぇ!!」 共有もできねぇよ!と嘆く達樹とは反対に、佐野さんはうんうん、とうなずいていた。 「律くんが正解! 達樹と付き合う彼女は可哀そうね」 「大丈夫だ、お前はねぇ」 「あっそ! 別にいいけどね」
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