4.直感-prince-

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『いや、大丈夫です。 俺、直接迎えに行きます』 送信してしばらくすると、携帯がバイブで震える。 そして 『ありがとう』 の文字を確認すると、俺は荷物をまとめて、図書館を出た。 「こんにちは」 「あらー、りっちゃん、いらっしゃい。 外、暑かったでしょう?」 快の家につくと、手に大きめの段ボールを持つ快のお母さんが迎えてくれた。 ニコニコと笑う優し気な表情は快とは全然似ていない。 愛想がいいからこそ、きっと快との相性もいい、お母さん。 「大丈夫です。お気遣いなく。 それより、その箱持ちましょうか?」 「え…、あぁ、これ? 大丈夫よ、見た目より重くないから」 俺の言葉に少し驚いたように快のお母さんは目を見開くと、苦笑する。
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