イケメン()男子の日常

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そんな、悩めるイケメン君を宥めるのは私の仕事だったりする。 というか、私以外にする人がいない。こぐれ君のこの姿を知っているのが私だけだからだ。 めんどくさいがしかたない…。 そばにしゃがみ込むと、出来るだけ優しい声で話し掛ける。最初から怒鳴るとナイーブなこいつは傷つくからだ。 「今日は、なにやらかしたんですか?」 少しの沈黙から、イケメン君…こぐれ君は顔をあげた。 「…校門前で広がって歩いてて自転車にぶつかりそうにとかなってて、危ないから広がってあるくなよ、って言おうしたんだよ…けど怖くなって…」 「なって?」 「どけ、邪魔だ。周りの迷惑も考えろ…って言っちゃったんだよ!」 最後のほうは、もう自暴自棄のように少し声を大きくして言い切ると、また頭をうずめた。 私はもう、コイツは…と頭を抱えた。 「だから、最初に注意するなんて難易度高いことできるわけじゃないですか!あんた小心者なんですから、最初は普通に挨拶するレベルからだっていってんでしょうが!!」 「オレにだって、やれば出来ると思ったんだよ…無理だったけど」 「無理なら、無理で諦めろ!アンタは豆腐メンタルなんだから!!」 そうです、こぐれ君は豆腐メンタル、対人関係はレベル1?HAHAHAそんなにあったら嬉しいよね、ってレベルの超絶コミュ障の人間です。 そして、私はこぐれ君の愚痴を聞く係とアドバイザーです。
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