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私は頭の中で、
新しい自分像をつくり出した。
私はどうしても、
森野隆志の関心を
自分に引きつけたかった。
「私は子どもの頃から、
何不自由のない生活を
してきた半面、
普通の家庭に憧れていたんです。
お父さんは、私が欲しいものを
何でも買ってくれたけれども、
いつも忙しくて、
家にはいませんでした。
だから私は誕生日の日に、
お父さんに言ったんです。
私は高価なプレゼントなんて
いらないから、
お父さんにいつも家に
いて欲しいって……」
私はいつもサイト内で
しているように
ウソで固めた自分を
必死に演じていた。
私は隆志といるときだけでも、
香川桜子の呪縛から
逃れたかった。
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