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呉と越の戦は、やられたらやり返す、報復に次ぐ報復と化し、戦闘の場に化した土地は、血と屍の腐臭漂う陰気な地となっていた。
***
「本当に、こんな鄙びた土地に神が与えたかの如き、美少女が居るというのか?」
半信半疑どころか九割は疑いの眼差しで、とある高官の命を受けて兵士が三人、案内の者の後を歩いていた。
正直、あのお方は、今回は嘘の情報を掴まされたのではないか。
それが三人の兵士の共通した思いだった。……それほど、はっきり言って辺鄙な、これと言った名産品もなさそうな田舎だったからだ。
まぁいい。偽の情報だ、と解ったら報告をして、情報提供者や案内の者を罰するのは、あのお方で有って自分達には関係ないのだから。
三人が割りきった頃、目当ての家が見えて来た。
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