真意は謎のままに

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   はて、此処はどこなのだろうか。 全く……不思議なこともあったものだ。 目を覚ましてみれば、見渡す限り真っ白で何も無い空間が広がっていたのだ。 ここで考えられることは一つ。 そう、これはきっと夢なのだ……というより、夢の中でなければ困る。こんなにも不気味な場所を、俺は知らない。 何度も首を上下左右に動かしてみたが、やはり、どこまでも真っ白で何もない場所であることしか分から無かった。 それにしてもまぁ、夢であるにしても……なんて退屈な夢を見ているのだろうか俺は。 真偽は定かではないが、夢は記憶の整理が関係しているのだとか……そんな話を聞いた覚えがある。 それが本当ならば、つまらない日々を送っている可哀想な奴に見られてしまうではないか。 自分なりに楽しい日々を送っているはずなのだが。 今日だって、確か……。 しかし、今日という日を思い出そうとして、異常な事態に気が付いた。 おかしい、こんなことがあってはならない。 ……困ったことに、記憶に異常があったようだ。 何というか、記憶にノイズがかかっているようで鮮明に思い出せない部分があるのだ。 夢の中であるせいなのだろうか? 一体全体、何が起きているのやら……。
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