第一章

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カラン(扉を開ける) 老人「おー来たか」 篠崎「ちぃーす。おひさ。」 影山「言葉づかいにお気を付けてください。お嬢様にふさわしい…」 篠崎「だまれ。いちいち口を挟むな。お前はたかが執事だろ。何度も同じことを言わせるな。」 老人「相変わらず仲がいいのだな(ほほほ)」 篠崎「ご冗談を。ご要件はなんですか?」 老人「照れるな照れるな。お前さん指名の仕事じゃ。」 依頼書を差し出す 影山「失礼します。」 影山「…。わかりました。これはお返しいたします。」 篠崎「行ってまいります。マスター」 カラン(扉が閉まる) 影山「失礼いたします。」 老人「柚を頼んだぞ。わしの大切な…」 影山「お任せください。私の命に代えても必ずやお嬢様をお守りいたします。」 老人「お前さんも一緒に帰ってくるのじゃ。柚にはお前が必要だ。心を許しているお前がな。」 影山「もったいないお言葉ありがとうございます。それでは失礼いたします。」 カラン(扉が閉まる) 老人「…。いつまでも二人で暮らして欲しいのだかな(ボソッ)」 影山「(心を許すか。私は人間ではないのに、そのことにあの方もお嬢様も知っておられるであろうに。なんと人間とは愚かなものだ。(クスッ))」 篠崎「遅いぞ。主を外で待たせるとは、執事の自覚はあるのか?」 影山「申し訳ありません。」 篠崎「たく…。依頼書に書いてあったことを説明せよ。」 影山「はい。では、馬車でその地に向かいながらお話いたしましょう。どうぞ。」 ガチャ(馬車の扉を開ける) 篠崎「そうだな。行くか…。」 バタン(馬車の扉を閉める)
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