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200●年6月19日
…ミカロ第2公立学園2階会議室
職員会議というのはなんとも張り詰められた空気が身体中に突き刺さるものである
遡る事2日前
2年O組の担任が突然辞表を提出した事から始まった
このままでは他の生徒に悪影響を及ぼし兼ねないと、2年O組の担任を決定する会議が行われていた
そもそもおかしいのは、この学校には数字表記で組が決定されている
しかし、存在するはずのない組に?マークを浮かべる一人の教師がいた
それがこの物語の中心人物
西園寺 康介である
「誰か、O組の担任をやってくれる先生はいません…よね?」
半ば校長は苦笑していた
いません…よね? やるハズがないらしい
O組は云わば、ミカロにとってのグズ生徒の集まりだと教職員は口を揃えて言っていた
「このままだと…残念だけどO組は全員退学処分しかありませんね。」
皆頷く中、西園寺は机を叩いて立ち上がった
「ちょっと待ってくれ。…………俺がやる!」
「え? 西園寺先生が?」
皆唖然としていた…それもそのハズ
西園寺は今まで、担任を受け持った事がないからだ
「しかし西園寺先生、あなたには無理だ。あのグズで落ちこぼれの生徒に、若い先生が犠牲になる事は無いんですよ。」
「じゃあこのままO組の生徒は全員退学ですか? 理由も聞かないで、説明もなしに追い出す気ですか!?」
「だって他の生徒に悪影響を及ぼし兼ねないじゃないか。O組はね、担任に暴力振るったんだよ?」
「だったら尚更俺が担任になってやろうじゃないか。お前等はそれでも教師なのか? 目の前の花目を摘み取る薄情な人間なのか!?」
己の自己主張に思わずたじろぐ教職員…
新米の教師が恐れを知らず、ベテランに異議を唱えた
「…さて、これから取引と行こうじゃないか? 校長…O組の生徒を卒業まで導いたら、俺に1000万円を請求する!」
「…え? いっ、いっ、1000万円!!ちょっと待て! 学校では賭け事は禁止だよ?」
「…あんた勘違いしてないか? これは賭けじゃない。ビジネスだ!」
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