第1話:2年O組VS西園寺

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磐田、耕平の襲撃から大分時間が経った 西園寺の授業はLHRのみとなっていた 「どうですか? O組の生徒達の担任は…。」 宇城丈が声を掛ける 「元気な子供達です。」 「聞きましたよ。二人の生徒…確か磐田君と耕平君が殴り込みに来たとか。」 「そうです。血気盛んで困るもんですね。」 「しかし、凄いですね? 金属バットを止めるなんて。」 「カッターで顔切っちゃいましたがね…。」 雑談も束の間、西園寺宛に一本の電話が鳴った 「西園寺先生、理事長がお呼びです。」 「…やれやれ。今から授業だってのに、突然だね。」 文句を言いながらも理事長の元へ向かう 「理事長、西園寺です。」 「入りなさい。」と一言、理事長に一礼した後、ソファーに腰を降ろす 「貴方が今回、O組の生徒の担任になった教師ですね?」 学校関係者の書類を刮目する 「校長から色々伺っています。何でも校長に不当な額を請求したとか?」 「それが何か? 俺は校長に一個人として適当な額を請求したまでですぜ? 不当とは人聞きの悪い。」 「しかし、それは前代未聞。教師が教師に強請など…貴方学校を舐めてる!」 「ふふふっ、それじゃ俺から一言言わせてもらうが…あんたのやってる事が俺には前代未聞だ。」 「何だと? 私が何をしたというのか?」 「あんたは生徒に取引をしてるらしいね? 生徒に、教師を極限まで追い込ませる。その教師は教壇を降り、あんたの手元にはその教師の分の金も手に出来る。」 「こいつは面白い。だが私が生徒に取引をしてる証拠があるのか?」 「ふん、証拠ね…ま、こいつの話はあくまでも噂だ。」 「冗談が巧いな。さて…西園寺先生、貴方は数ヶ月持たない。」 「俺も甘く見られたもんだな。御言葉だが、卒業まで導く。そうじゃなきゃ校長に請求した1000万が水の泡だからな。」 「潔い…貴方はボランティアで動くような人間ではないな。」 「ほう、少しは分かってるじゃないか? そう…ボランティアで教師をやっているワケじゃない。教師はビジネスだ。」
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